vol.36 2001.12.9
The
Home Planet
地球
「最初の1日か2日は、みんなが自分の国を指していた。3日め、4日めは、それぞれ自分の大陸を指さした。5日めには、私たちの念頭には、たった一つの地球しかなかった」 S.アル=サウド
今回は、小学館「地球/母なる星―宇宙飛行士が見た地球の荘厳と宇宙の神秘 」から。
Association
of Space Explorers
「宇宙には知性と愛情と調和があることを、私は身をもって知った」 E.ミッチェル
「打ち上げの朝、車を走らせながら自分の人生を振り返り、色々なことを考えた。自分の人生はあれでよかったのか。きょうは、どこへ自分は行こうとしているのか。本当はどこへ行きたいのか。これが地上の見納めになるかもしれない」 J.アーウィン
「私はシートベルトを外して浮き上がった。窓の外をながめた私は、わが目を疑った。太陽がさしこんできて、真下に大西洋が見渡せた」 J.アレン
「宇宙からながめた地球は、たとえようもなく美しかった」 M.ファリス
「ちらっと窓の外を見て、太平洋のまん中に逆巻く雲を見る。イタリアの長靴が地中海に突き出ているさまや、カリブ海の鮮やかなブルーのサンゴ礁が星と美しさを競うのをながめたりする。地球の圧倒的な美しさ」 R.シュワイカート
「たそがれ時の数分間は、信じられないほど美しい」 B.ヴァシューチン
「想像できないほど美しいビー玉。美しく暖かくそして生きている。それは非常に脆くてこわれやすく、指を触れたら粉々に砕け散ってしまいそうだった」 J.アーウィン
「いきなり月の縁の背後から、きらきら輝く青と白の宝石が現れる。荘厳な瞬間。ゆるやかに渦巻く白いベールをまとった、明るい微妙なスカイブルー色の球が、暗黒の神秘の深い海の中を、小さな真珠の玉のようにしだいに昇っていく」 E.ミッチェル
「妻や子供と一緒に、この壮観を楽しめないのはいかにも残念だ」 R.センカー
「そもそもこの地球をちゃんとつくったのは一体だれなんだ」 И.ヴォルク
「宇宙の静寂、あまりに大きく、底知れぬ深さをもつ静寂」 A.レオーノフ
「月から見ても、すべての星は月を中心に回っているように見える」 A.ビーン
「視界を遮るものはなにもなく、ただ果てしなく広がっている。なんの音もない。そこには、かつて経験したことのない、深遠な沈黙が支配している。明るい鮮やかな色合いに満ちた地球と、無限に広がる漆黒の闇。その鮮やかな対比を見ているうちに、突然悟った。生きとし生けるものはすべて、この地球という母なる星と切っても切れない関係にある。そして、避けることのできないこの繋がりを思い、畏敬の念に満たされた。地球に帰還すると世界が違って見える。宇宙を見たおかげで、地球と自分との関係に変化が生じる。自分と地球上の生命全体との関係が変わるのだ。この地球の生態系は、相互依存の関係にある。私たち人間の未来は、熱帯雨林や塩性沼沢地を守ることができるかどうかに大きくかかっている。地球を守らねばならないということを頭で考えるだけでなく、心で切実に感じるのである」 R.シュワイカート
「草や木のにおい。暖かい夏の雨。木々の間に降り積もる粉雪」 П.クリムク
「不思議な充足感がこみ上げてきた。地球のにおいがした。たとえようもないほど甘美でうっとりとするようなにおいだった。そして、風。宇宙に長く滞在したあとに肌で感じる地球の風は、ほんとうに心はずむ思いがした」 A.ニコラーエフ
「大地を見て、私はむしょうにうれしくなった。ふわふわした初雪。思わず私は大地の上に転がって、大地を抱きしめ、頬を押しつけたくなった」 Г.ショーニン
「私は今丸い星の上を歩いている、その星は太陽の周りを時速6万2000マイルで回っている。それ自体赤道で時速1000マイルで自転し、昼と夜を作り出している。太陽系の中心、太陽は時速50万マイル以上で銀河系を回る。その銀河系は、私には知るよしもない方向へと、想像もつかない猛スピードで、宇宙のなかを突き進んでいる。宇宙はそのような銀河系を何十億も擁し、たえず膨張を続け、限りなく広がっていく。そのちっぽけな片隅で営まれる私たちの生命の不思議さ」 K.ケリー
「これは違うぞ、という非常に深い本能的な思いが腹の底から突然こみ上げてきた。地球という青白い惑星が彼方に浮かぶのを目にし、それが太陽を回っている。その太陽が、漆黒のビロードのような宇宙の遠景に沈むのを見守った。宇宙の流れ、エネルギー、時間、空間には目的があることを肌で感じた。そしてそれが、人間の知的理解を超えていると悟った。その時不意に、それ迄の経験や理性を超越した直感による理解が存在することに思い至った。この宇宙には、行きあたりばったりで秩序も目的もない分子集団の運動だけでは説明のつかない何かがある」 E.ミッチェル
「宇宙から地球を見ていると、この地球に生まれて死んでいった人々、現在生きている人々、これから生まれる人々を思う。そして、自分はその無数の人間のひとりであると改めて思う。次に考えるのは、私たちの存在はなにかということであり、短い生を精いっぱい楽しみ、かつ十分に他と分かち合って生きるにはどうしたらよいか、ということである」 R.ネリ=ベーラ
人もそれぞれの質量によって、各自が軌道をつくっていきますね。
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